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業界でもユニーク、LEECHIU/KDDIの業務提携。成長を続けるフィリピンの不動産業界でWin-Winを目指して。

2013年より赴任された松浦氏に通信・IT会社であるKDDIフィリピンがなぜ内装事業を展開することになったのか、その経緯をお伺いしました。

ー事業内容
オフィス、工場などで必要なICT環境整備(電話システム、ネットワーク機器、サーバ、監視カメラ、業務システムなど)と「オフィス内装工事(設計施工)」をワンストップソリューションでサービス提供している。ICTソリューションは機器調達から設置、保守運用までを一貫して行ない、また、内装工事も同様に、設計・デザイン・各種申請代行・施工管理までをワンストップサービスとして展開している。 ーなぜ内装業を始めたのですか? 私がフィリピンへ赴任した2013年当時、ITのインフラ事業を日系企業様へ展開していましたが、ITの日系マーケット規模は、タイやインドネシアなどの周辺の東南アジア各国と比較すると規模感が見込めず、また、進出して来られる企業数も少ない状況であったため、業績は低迷していました。フィリピンでの事業拡大において、一顧客あたりの売上規模を上げることが急務だと捉え、新たな事業を考えはじめました。
そこで、新たな商材としてまずは2014年に家具の販売を開始、その後そこから派生させて、2015年から既存事業との親和性が高い、内装事業を始めました。内装事業に目を付けたのは、ITをご発注いただいたお客様のところへ搬入に行った時に、現地内装業者との対応でとても苦慮されている光景を目の当たりにしたことがきっかけでした。それであればIT環境の整備と内装工事をまとめてワンストップで提供することにより、お客様の負担を軽減することができ本業に専念できるだろう、お客様にとって意義のあるサービスになると考え事業展開を始めました。

ー内装事業を始めた当初の状況を教えた下さい
営業を開始して半年ほどで1件目のご発注をいただきました。しかし、この時点では内装工事自体はもちろんのこと、役所への各種申請関連の業務も内装業者へ丸ごと依頼していました。ただ、それが最初の失敗でした。業者に全ての業務をアウトソースすることにより、自分たちで把握できる部分が限りなく少なくなってしまい、工事の進捗管理が出来ないという状況に直面しました。各種申請関係の進捗や工事の状況が全くと言っていいほど分からず、工事が遅れていてもなぜ遅れているのか、工事許可の申請がなんでいつになっても下りないのか、その理由を把握することができません。業者に問い合わせても適切な回答はなく、その一方でお客様への引き渡しの期限は迫ってきています。結果としてお客様にご迷惑をお掛けしてしまったこともありました。
内装事業を始めてからの最初の1年間は日本人の営業担当が工事現場に張り付き、工事現場の責任者と共に現場管理を行うようにし、自分達の目と耳で全てを確認することを心がけ、工事の状況をできるだけ的確に把握するように努めました。プロジェクトによっては朝から晩まで現場に張り付き、夕方自分のオフィスに戻った時は埃で頭がいつの間にか真っ白なんてこともありましたね(笑)。

ーどのように内装事業の品質を向上させたのですか?
“内装事業の内製化”を進めたことが大きな転機でした。これまでのやり方を全て見直し、お客様が期待するKDDIの品質を担保するためにはどうすべきかを考えました。その当時たどり着いた解が“事業の内製化”でした。業者へ業務を丸投げするのではなく、自社内に建築士、デザイナー、施工管理者、現場管理者、エンジニアなどの人材を抱えることにより、自分達で大方のことを掌握できるようになり、結果として以前と比べ工事管理の質を各段に上げることができたと思っています。
また、営業的にはデザイナーが社内にいて自分達でデザインを自在に作れることとなり、プレゼンテーション力を各段に上げることができたと思っています。

ー業績はどうなりましたか?
2016年度には年間5件程度の受注件数であったものが、2017年度には急激に増えて20件に、2018年度にはその倍の40件の工事を受注させていただきました。結果として、2016年度は総売上の10%程度にとどまっていた内装事業も2017年度は40%に、2018年度には50%を超えるまでに成長させることができ、KDDIフィリピンのコア事業に育てあげることができました。
今年度も引き続き堅調に推移しており、件数もさることながら一件あたりのプロジェクトの規模が大きくなってきており、今後の更なる成長に手応えを感じています。

ー品質を担保するために行っていることはなんですか?
内装工事を高品質で提供するためには大事な要素が大きく2つあると考えています。1つ目は“設計スキル”、2つ目は“施工管理スキル”です。この2つのスキルを向上させることがサービス品質を向上させると考え、昨年秋から日本人設計士(NY州建築士)とコンサル契約を締結し、プロジェクトの全図面のレビューを徹底的に行い設計の精度を向上させています。施工管理も日本人を配置しており、きめ細かな対応と迅速な情報共有により、工事進捗をきちんと管理するようにしています。
ここフィリピンの場合、現地大手の内装業者であっても設計や施工管理の能力は極めて低く、我々がそこを強化することで、将来的には他社との差別化にも繋がり、フィリピン国内で唯一、日本品質の内装工事サービスを提供できる会社になれると考えています。
KDDIブランドを信頼してご発注頂くお客様の期待にお応えすべく、日々改善しレベルアップを図る、そして決して諦めない。これが我々の“プロフェッショナリズム”と考えています。

ー内装事業のなかで御社独自のサービスはありますか?
3D完成予想図いわゆるCGをオフィスエリア全ての箇所に対して作成することで、完成イメージをお客様に視覚的に共有理解していただくことを意識しています。場合によっては動画を作成することで更に臨場感を高めることもしています。お客様の立場に立った際、内装工事という大きな投資にも関わらず、実際にどんなオフィスが出来上がるのかイメージできないと不安ですよね?多くの現地企業ではこの3Dの作成というのはとても限られてた範囲でしか対応しておらず、また修正回数なども制限されています。3Dをそもそも作成しない会社も山ほどあります。
我々はお客様の納得いくところまで何度でも修正して作り上げるようにしています。日本でもそこまでやっている会社はないと聞いています。今後は更に臨場感を高めるべく、VRを活用してお客様と仮想空間に入り込んで詳細打ち合わせをできるにすることも考えています。  また、マテリアルの選定にはとても気を使っています。品質の高いオフィスを作るためにはマテリアルの選択も重要な要素です。この点、日本をはじめ欧米含めて優良なマテリアルを入手できるようにルートを確保しています。もちろんコストの問題もありますので、その点はお客様のご予算に合わせながらフレキシブルに対応させていただいています。常にお客様の立場になって何が必要なのか?何が不足してるのか?どのようにしたらお客様にとってメリットがあるのか?といった視点で取り組むことを今後も心がけたいですね。

 

2019年5月より、フィリピン最大の不動産ブローカーLEECHIU PROPERTY CONSULTANTS, INC.(以下LPC)との業務提携を開始。 詳細についてお伺いしました。

これまでKDDIでは内装事業を主に日系のマーケットを中心に展開してきましたが、その一方でフィリピンにおける日系のマーケットが今後大きく飛躍するとは現段階では考えていません。そのような状況下で今後も事業を拡大していくためには、非日系マーケットを新たに開拓するというのは必要不可欠です。そのためには地場有力者との強力なコネクションが必要でした。
そこで、フィリピン最大の不動産ブローカーであるLPC社との提携を検討し、双方にWIN‐WINになれる形態を考え業務提携する運びとなりました。日系マーケットの拡大を狙っているLPC社へ弊社から日本人スタッフを派遣し、LPCジャパンデスクを設けました。日本人窓口をつくることにより、同社の日系顧客は営業面で全てKDDIの日本人スタッフが対応することとしています。お客様とLPC間のブリッジ役をすることで、お客様の満足度を上昇させて成約率を上げることを目的としています。LPC曰く、フィリピン人にとって日本人とのコミュニケーションというのは難しい部分もあるようで、同社としても悩んでいたようです。現状、フィリピン国内では日本人デスクを正式に構えている不動産業者はなく、同社にとっても他社との差別化になると考えているようです。一方、KDDI側としては同社の非日系の既存顧客や新規顧客を無条件で紹介してもらうことで、ビジネスチャンスを大幅に広げています。同社との業務提携により、今まで独自では手の出せなかった新たなマーケットを開拓できる可能性が非常に高まり、今後の事業拡大に手応えを感じています。当該提携を初めてまだ間もないですが、既に数千平米クラスの欧米企業の大型物件を紹介して貰うなど、幸先の良いスタートをきれています。ここフィリピンの不動産市況はとても旺盛であり、将来的には同社と共に不動産開発、その他の協業など無限の可能性を秘めていると考えています。

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ー他にも新たなサービスがありますか?
2019年5月より“ファシリティーリーシングサービス”を開始しています。ファシリティーリーシングとは、「オフィススペースを所有から利用へ変えること」です。オフィスをお客様のご予算にあわせ、ご要望通りに作るまでは今までと一緒なのですが、当該オフィス工事費用、IT費用、家賃などを含めてサービス化し、お客様は月々のお支払いで自分たちのオフィスを使うことができます。お客様は設立当初に多額のキャッシュアウトを抑えることができご自身の事業投資などに資金を振り向けられることができます。
また、オフィスのメンテナンスなどは全てKDDI側で実施するため、お客様からすると管理面も含めて負担が軽減される有意義なサービスになると感じています。

ー今後への期待と展望
究極のワンストップサービスを確立することを会社の大きな目標としています。現状では、物件探し、内装工事、IT環境整備をサービスラインナップとしていますが、このラインナップを増やしていくこと、すなわち事業のポートフォリオを増やしていくことで、お客様とのタッチポイントが増え、結果的にお客様満足度を高められると考えています。「何かあればとりあえずKDDIに問い合わせてみよう」。そのような存在に一日でも早くしたいですね。サービスラインナップを増やすということは事業の多角化を意味しますが、むやみやたらに広げることは危険です。既存事業との親和性、何よりもお客様視点というものを決して忘れてはいけないです。事業を拡大するということは、その会社のサービスによって喜んでくださるお客様が増えていくということですので、どんどん大きくしてお客様に笑顔を届けられるような会社にしたいと思っています。

ー様々な苦難を乗り越えてきた原動力は何ですか?
新たなチャレンジをすれば必ずといっていいほど、考えてもみなかった苦難にぶち当たると思います。その目先の苦難はそれはそれでとても大変なのですが、長期的なビジョンを持っていればそのような苦難は必ず乗り切れるのではないかと思います。私はKDDIフィリピンという会社をもっと社会貢献できる会社に育て上げたいという強い思いを持っています。そのためには様々な困難にぶち当たるのは当たり前ですし、その長期的な目標を達成するためには通らなければならない道だと考えています。心折れそうな時はその目標を思い出しては自身を奮い立たせるように心がけていますね。
ある有名な経営者が「経営とは夢を語りそれを実現すること」と話しているのを聞いたことがあります。夢を実現するためには想像を絶する困難がありますよね?その夢が大きければ大きいほど。でも夢があるから頑張れるんだと思います。それと同じことです。会社としても個人としても夢を追い続けたいですね。

 

フィリピンの不動産仲介・コンサルタント業界の第一人者であり、LPCの共同創設者及びCEOである、DAVID LEECHIU氏にもお話を伺いました。

ーLPCについてお聞かせください
LPCは、2015年11月に設立されました。現在115名のスタッフ(うちブローカー50名)を有し、国内外のクライアントに不動産仲介・コンサルティングを行っています。不動産コンサルティングでは世界でも有数のCBRE GROUP(本社:米国カリフォルニア州)とパートナーシップを結ぶ、国際的にも信頼される国内企業です。フィリピン全土に強力な不動産ネットワークを持ち、2018年度には業界最高利益を上げました。

ーKDDIフィリピンとの業務提携により、今年5月にジャパンデスクが設置されました。手ごたえはどうですか?
近年、インフラ分野に限らず、公的・民間セクター共に日系投資は急増し、フィリピン全土に及んでいます。日系コミュニティにおいて優れたネットワーク・実績を持つKDDIフィリピンとの提携はとてもエキサイティングであり、互いの強みを生かし合い、2倍、3倍に成長できる機会だと期待しています。設置後まだ間もないですが、既にミンダナオ島ダバオに5000平米の案件があります。
LPCは不動産に特化して専門性を磨いてきました。そこにKDDIフィリピンのノウハウが加わり、業界でもユニークな提携が実現できたと思っています。 ーLPCでは、テナント対策・リース事業・投資販売・BPO用地選定、リサーチ&コンサルタント、と大きく分けて5つのサービスを行っています。業務提携はどの分野において行われるのでしょうか。
すべての分野にチャンスがありますね。また、不動産の種類でも産業・住宅・オフィス・ホテルと、あらゆる可能性があると思います。中でもオフィススペースには、およそ80万〜100万平米の潜在需要が見込まれると考えています。 ー特定の産業・地理的ターゲットはありますか?
私はIBPAPの理事会メンバーであり、早くからフィリピンにおけるBPOの可能性を指摘してきました。BPO、POGOs産業は拡大の一途をたどっており、今やIT-BPOはオフィススペース需要のNo1分野となっています。地理的には、マニラの他に、クラーク、セブです。ホテル分野では、パラワンもさらに含まれます。ホテルセクターは、オフィスより利回りがよいですし、またICT技術もさらに必要とされます。これからホテルブームが到来すると見込んでおり、KDDIフィリピンには、ホテルセクターも今後視野に入れてゆくことを期待しています。

ー提携の今後の展望は?
周知のとおり、フィリピンの不動産マーケットは急速に成長しており、この傾向は今後も続きます。特に海外からの投資が増しています。提携を通じ、LPCとKDDIフィリピンが共に大きく成長すると信じています。

ー今年5月より、ジャパンデスクで業務につかれているKDDIフィリピンの関氏にお話を伺いました。
ジャパンデスクでは、KDDIフィリピンのこれまでの実績とノウハウを生かし、LPCの日系クライアントに対するきめ細やかなサポートを行います。デスクの存在により、顧客とのコミュニケーションが円滑になるという、LPCと日系クライアントの橋渡し的存在となりたいと願っています。また、日系の顧客数が増えれば、ICTソリューション及び内装工事を請け負うKDDIフィリピンの可能性も高まります。
KDDIフィリピンの顧客層は、これまで90%近くが日系企業にとどまっていました。フィリピンにおいて、業界トップクラスのLPCとの提携により、圧倒的な不動産ネットワークを通じての非日系クライアントからの受注可能性も高まり、まさにWIN‐WINの関係だといえます。LEECHIU氏には、人間的にも学ぶことが多く、日々貴重な体験をさせていただいています。ジャパンデスク設置を機に、業務提携に不可欠である、強固な信頼関係がさらに深まると信じています。

 

David Leechiu氏
フィリピンの不動産仲介・コンサルタント業界の第一人者。2015年11月に設立したLeechiu Property Consultants, Inc.(従業員数115人)は、フィリピン全土に強力な不動産ネットワークを持ち、2018年度は業界最高利益を上げた。
2019年5月よりジャパンデスクを設置、KDDIフィリピンとの業務提携を始める。

KDDIフィリピン 関 辰也氏
LEECHIUにてジャパンデスクを担当

 

※1 IBPAP(Information and Business Processing Association of the Philippines)
※2 POGOs(Philippine-based Offshore Gaming Operators)
※3 IT-BPO(Information Technology-BPO)

 

<企業情報>
企業名 KDDI PHILIPPINES CORPORATION
住所 Unit 25-C & 25-D, 25th Floor Rufino Pacific Tower
, 6784 Ayala Avenue cor. V.A. Rufino Street Makati City
電話番号 02-887-2536 / 02-887-2566 / 02-851-1365 / 0917-832-7052 (松浦)
URL https://ph.kddi.com/
役職 Vice President
名前 松浦 真樹
経歴 2004年KDDI株式会社入社。
au事業本部 中国支社(広島県/岡山県)にて販売代理店営業を5年間担当。2009年より2年間本社法務部にて企業法務を勤める。2011年10月シンガポールに駐在。2012年10月インド チェンナイに駐在。2013年7月からフィリピンへ赴任。
フィリピン進出日時 2015年 11月
業種 不動産仲介/コンサルティング業
URL www.leechiu.com
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