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その108 英会話神話から脱却する!

子どもの英語教育を考える時、多くの人が「英会話」を考えると思います。日本人が苦手とする「英会話」を子どもには身につけさせたい、という考えです。実はこの「英語=英会話」というバイアス(思い込み)が日本人の英語力を停滞させている原因の一つであると私は考えています。

 

  • バイリンガルには「読み書き」が不可欠

子どもは大人に比べて英語を聞き取る力や正確な発音を身につける言語吸収能力が高く、ラクに英会話を身につけることができます。しかし子ども時代の優れた言語吸収能力を「英会話」に使うのはもったいないのです。

私は子どもの持つ言語吸収能力を「リーディング力の育成」に活用すべきであると考え、歌や演劇を通してフォニックス(英語の読み書き)を学ぶカリキュラムを構築しました。このカリキュラムを実践したところ、たちまち子どもたちのリーディング力が上達し、同時に、英語の他の技能(話す、聞く、書く)も向上したのです。

子ども時代の著しい言語吸収力を「リーディング力の育成」へ応用することで、どの子も英語の本が流暢な発音で読めるようになります。英語の本が読めるようになれば、日本に帰国してからも、大好きな読書を通して英語力をいくらでも向上させていくことができるのです。

 

  • 英会話神話に潜む落とし穴

ハワイで生まれ育ったタロウ君(仮名)。両親は日本人です。家庭では日本語を話し、プリスクールでは英語を話すバイリンガル環境で育ちました。ハワイの小学校に上がる頃には、日本語と英語を「流暢に話す」バイリンガルに成長しました。二カ国語を自在に操る我が子を見ると、親としては何ともうれしく、誇らしい気持ちになるものです。

タロウ君がハワイの小学校に通い始めて1ヶ月ほど経ったある日、担任の先生からお母さんに電話がありました。

「タロウ君ですが、英語力が弱いので授業についていけません。放課後に家庭教師をつけることはできませんか?」

お母さんはびっくりして反論します。「タロウは英語ぺらぺらですよ。なぜ授業についていけないのですか?」

先生は答えました。「英会話には問題ありません。でも、英語の読み書きの力が足りないのです。」

お母さんは呆然としてしまいました。英語を流暢に「話す」タロウ君を見て、学校の授業にも問題なくついていけるだろうと「思い込んでいた」のです。

 

  • 英語力は「読み書き」で定着する

現地校で要求される英語力は、本や教科書を読み解く力、そして、自分の考えを書き言葉で表現する力、すなわち「読み書き」をベースとした「アカデミック英語」です。いくら英語が流暢に話せても、アカデミック英語が身についていなければ、授業についていくことも、宿題や課題をこなすこともできないのです。英会話とアカデミック英語は明確に分けて考えなければいけません。

英語が話せるから、学校の勉強もできるようになるだろうというのは海外で子どもを育てている親に多く見られる「思い込み」です。

英語圏で生まれ育ち、英語圏の学校に通えば誰でも英語を「話せる」ようになります。しかし誰もが学校の勉強が得意になるわけではありません。勉強ができる子にするには、親のサポートと子ども自身の努力によってアカデミック英語を身につける必要があるのです。

 

  • リーディング力の獲得をゴールにする

子どもに高度な英語力を期待するならば「リーディング力の育成」が不可欠です。「最初は英会話から」と考える方が多いですが、英語初心者の子どもにリーディング指導をしても何ら不利益が生じることはありません。早期に英語の本が読めるようになれば英語力も学力も高度に伸ばすことが実現できます。

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