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その137 自己肯定感を高めるには?

国立青少年教育振興機構が、日本、韓国、中国、米国の高校生を対象に行なった意識調査(2018)があります。この中で、「私は価値のある人間である」という質問に「YES」と答えた割合は、日本人は44.9%でした。(韓国83.7%、中国80.2%、米国83.7%)

自己肯定感の定義は様々ですが、この感情を支えているのは、「自分はできる」という「根拠のない自信」であると私は考えています。「自分はできる」と信じている人は、チャレンジを繰り返し、成功体験を積み重ね「根拠のない自信」を「根拠のある自信」に変えていくパワーを持っています。

これとは反対に「根拠のない自信」が小さいと「自分はできる」という自信よりも「失敗するのではないか」という不安感が目の前に大きく立ちはだかり、新しい挑戦がしにくい、人生に対して消極的な態度が形成されてしまうのです。

 

  • なぜ、日本人の子どもは自己肯定感が低いのか?

私は、日本、米国、中国で塾を経営し、世界中の国の子育てを見てきましたが、日本人の自己肯定感が低い原因が「まわりに迷惑をかけない子育て」にあるように思えてなりません。

ベネッセコーポレーションが日本、韓国、中国、台湾の母親に行なった「子どもに期待する将来像」という調査で「人に迷惑をかけない人になってもらいたい」と答えた割合は、日本71%、韓国24.7%、中国4.9%、台湾25%でした。日本の71%というのは突出した数字です。

「人に迷惑をかけない人になってもらいたい」というのは「目立つ存在にならないでほしい」という心理が母親に働いている現れと受け取ることもできます。これは悪いことではなく、子どもが「出る杭」にならないように、いじめや仲間はずれの対象にならないように、子どもを守ることが目的であり「日本社会」で生き残る子どもに育てるための本能とも言えます。

しかし、子どもが「出る杭」にならないように育てるというのは、言葉を変えると「個性を抑え、行動をコントロールすること」です。つまり、自主的な行動を通して「自分はできる」という自信を育てることとは矛盾してしまうのです。

 

  • 連帯責任という強迫観念

江戸時代の町村は「五人組」という制度によって管理されていました。これは近隣5戸を一組とし、互いに連帯責任で年貢納入や犯罪取り締まりなどを行なうものです。一人の不始末が全体の責任となるため、個性の強い人は徹底的に押さえつけられました。

昔は「個性」のことを「クセ」と呼んでいました。「クセがある人」というのは個性が強い人のことです。クセのある人は、トラブルを起こし、まわりに悪い影響を与える可能性があります。だからクセを抑えこもうとする集団心理が働いていたのです。「村八分」と呼ばれ、秩序を守らない人との交際を村全体が絶つという習慣が、最近まで日本に残っていたのはその一例です。

もちろん今の日本には連帯責任はありませんが、いちど根付いた価値観は人々の心から簡単に消えてなくなるものではありません。個人や家庭や地域社会や学校や会社組織において、今も、連帯責任という強迫観念が無意識のうちに継承され、人々を抑圧しているのではないでしょうか。

 

  • 先回りするのでなく、子どもを見守る

何事にも日本人の親はまわりの目を気にしすぎるところがあります。子どもが泣けば近所迷惑になると必死であやし、子どもが走れば先回りして子どもをブロックする。子ども同士のおもちゃの取り合いになれば、親がおもちゃを取り上げて相手の子に渡してしまう。子どもは「まわりに迷惑をかけない」という大義名分の下、自発的な行動をコントロールされ続けるのです。

子どもの自発的な行動を、親や周囲の大人や社会全体が、もう少しおおらかな目で見守ることが日本の子どもたちの自己肯定感の向上につながるのではないでしょうか。人はだれでも「まわりに迷惑をかけて成長する」のです。ましてや世の中のルールも常識も知らない子どもですから、失敗したり、間違ったり、迷惑をかけるのがあたりまえなのです。

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